ターゲットに届くCM戦略!TVCMの「線引き」とは?TRP最大化に向けた出稿パターン徹底解説

なぜ「線引き」の理解がTVCMの効率を左右するのか

「テレビCMに予算を投下したのに、肝心のターゲット層に届いている気がしない…」

このような悩みを抱えているマーケティング担当者は少なくありません。CMの投下量を示す基本指標はGRP(延べ視聴率)ですが、単にGRPを大量に投下するだけでは効果は限定的です。

CMの成功は、「誰に」「いつ」届けるかにかかっています。この「いつ」を決める鍵となるのが、スポットCMの出稿戦略における「線引き」です。

本記事では、スポットCM出稿の鍵となる「線引き」の基本から、それを活用してTRP(ターゲット・レイティング・ポイント)を最大化し、CM効果を飛躍的に高めるための実践的なノウハウを徹底解説します。

スポットCMにおける「線引き」の基本

「線引き」とは何か?

「線引き」とは、スポットCMを出稿する際に、放送局から提示されるCMのタイムスケジュール表、またはCMを流す時間帯のパッケージのことを指します。

スポットCMは特定の番組を指定してCM枠を購入する「タイムCM」とは異なり、局が用意した「時間帯の枠」をGRP単位で買い付けます。この「時間帯の枠」を、視聴者層の傾向に合わせてあらかじめ区分けしたものが線引きです。

線引きが必要な理由

線引きは、スポットCMでターゲティングを行うための重要な手法です。

  • CMを流す時間帯によって、その時テレビを見ている視聴者層の属性(例:平日の昼間なら主婦が多い、深夜なら若年層が多いなど)が大きく変わります。
  • 放送局は、商品のターゲット層に合わせて効率よくCMが流れるよう、時間帯を区切ったパッケージ(線引き)を提案します。

GRPと線引きの関係

同じGRP(投下量)であっても、線引きが異なればリーチするターゲット層が大きく変わります。

例えば、ターゲットが若年層の商品で「全日型」の線引き(主婦層が多く見る昼間にも多く露出)を選んだ場合、GRPは高くても、若年層への到達を示すTRPは低くなってしまう、という現象が起こり得ます。

ターゲット別!代表的な「線引き」パターンと特徴

スポットCMの線引きにはいくつかの基本的なパターンがあり、それぞれ相性の良いターゲット層が異なります。

線引きパターン主な特徴相性の良いターゲット
① 全日型(フラット型)1日の中でCMをまんべんなく放送。単価は比較的安い。幅広い層、全世代(食品、日用品、保険など)。
② 平日昼間型(コの字型)平日9時〜17時頃の昼間帯に本数を集中させる。主婦層、在宅時間の長い高齢者層。
③ プライム・ゴールデン型視聴率の高い夜間(主に19時〜23時)に集中。単価は高め。家族層、広い層への短期間での認知拡大。
④ ナイト型(深夜型)プライム帯以降の時間帯(23時以降)に集中。若年層、ビジネス層(帰宅後)、特定の趣味層。

戦略のヒント: ターゲットが広範囲であれば「全日型」も選択肢に入りますが、特定のターゲット層に集中させたい場合は、その層の視聴時間帯を狙った「ターゲット型」(平日昼間型やナイト型など)を選ぶことで、効率(TRP)が高まります。

GRPからTRPへ!ターゲット最適化のための線引き活用術

効果的なCM戦略の目的は、単にGRPを達成することではなく、「いかに効率よくターゲット層のTRPを最大化するか」にあります。

TRP最大化の考え方

TRPを最大化するには、「ターゲット層にとっての視聴率が高い番組・時間帯」に、予算(CM本数)を集中投下する必要があります。

  1. ターゲット層の視聴習慣を分析する:
    • ターゲット層(例:30代共働きの女性、40代男性管理職など)が、平日・週末問わず「いつ」「どのジャンルの番組」を見ているかという視聴データを徹底的に分析します。
    • TRP最大化に特化した出稿プランニングでは、個人視聴率をベースにした分析が必須です。
  2. 費用対効果(パーコスト)をTRPベースで評価する:
    • 従来のGRPベースの評価に加えて、「1TRPあたりにかかる費用」を算出し、線引きの優劣を判断します。ターゲット層の視聴率が高い時間帯は、GRPベースの単価が高くても、TRPベースで見ると費用対効果が良くなるケースが多くあります。
  3. 提示された線引きをTRP視点でチェックする:
    • 放送局から提示された線引きに対して、無駄な露出がないかチェックします。ターゲットの視聴習慣に合わない、単価が安いだけの時間帯にCM本数が多くなっていないかを確認し、必要であればよりTRP効率の良い線引きへの変更を依頼します。

TRPを意識した「線引き」がCM成功への近道

スポットCMにおける「線引き」は、CMのボリューム(GRP)を管理するためのものではなく、「誰に届けるか」というターゲティング戦略を具現化するための重要なツールです。

  • GRP: 広告の投下量を示す。
  • TRP: ターゲット層への到達効率を示す。
  • 線引き: TRPを最大化するための具体的な出稿パターン。

CM戦略を成功させるためには、自社の商品やサービスが本当に届けたいターゲット層を明確にし、その視聴習慣に基づいた「線引き」を選択することで、TRPを最大化することが最も重要です。

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村田諒

村田諒

1992年生まれ。 2016年に株式会社キャスターへCMOとして入社し、全社のマーケティング戦略を統括。取締役を経て2023年の東証グロース市場上場に貢献。 2025年よりbfj株式会社の取締役に就任。「bfj scope」のサービス責任者として、経営とマーケティングを接続する新たな認知広告効果のROI可視化を推進。