「TVer広告はBtoCのもの」と思っていませんか?実際には、ビジネス系番組を視聴する経営層・IT担当者へ精緻にリーチできる媒体として、BtoB企業のマーケティング担当者から注目を集めています。TVerの月間ユーザー数は2025年12月時点で過去最高の4,460万ユニークブラウザを記録し、スキップ不可仕様による視聴完了率は97%超に達します(コネクテッドTV視聴時)。本記事では、TVer広告がBtoBマーケティングで発揮する効果の仕組みと、指名検索・MQLへの波及を実務的に測定する方法を解説します。
TVer広告とは?コネクテッドTV時代の認知チャネル
TVer広告とは、民放テレビ局が共同で運営する動画配信サービス「TVer」内に配信されるインストリーム動画広告です。スマートフォン・PC・スマートテレビ(コネクテッドTV)の複数デバイスで視聴されるため、生活シーンに応じた幅広いタッチポイントを持ちます。
TVerの月間ユーザー数と急成長する市場
TVerの月間ユーザー数は2025年12月に4,460万ユニークブラウザを記録し、前年同月比114%と過去最高を更新しました(Web担当者Forum、2026年1月)。月間動画再生数は6.5億回に達し、そのうちスマートテレビ(コネクテッドTV)での視聴が2.1億回を超えるなど、リビングルームでの視聴シェアが急拡大しています。
国内のコネクテッドTV広告市場も同様に成長しており、2025年には1,695億円規模に達すると予測されています(AJA・SMN調査)。広告主企業数も拡大を続けており、「テレビの信頼感」と「デジタルの計測性」を兼ね備えた媒体として評価が高まっています。
テレビCMとの違い—精緻なデータ計測とターゲティング
従来のテレビCM(GRP課金)との最大の違いは、配信数・視聴完了数・デバイス別視聴割合・視聴者構成などをリアルタイムに計測できる点です。さらにブランドリフト調査を組み合わせることで、認知度や購入意向の変化を定量的に把握することも可能です。
テレビCMでは困難だった「経営層」「IT担当者」「特定業種」などのセグメントへのリーチも、TVer広告のターゲティング機能で設定できます。詳しくは後述しますが、この精緻なターゲティングがBtoB企業にとって大きな利点となります。
BtoB企業がTVer広告を選ぶ3つの理由
BtoB企業が認知広告としてTVer広告に取り組む際に挙げる主な理由は、以下の3点です。
視聴完了率97%超—スキップされない広告形式
TVer広告の最大の特徴は、コンテンツ視聴中にスキップできない仕様です。この結果、コネクテッドTVでの視聴完了率は97.1%、PCは96.1%、スマートフォンは93.3%という水準に達しています(アイクリック調査)。
YouTube広告のスキップ可広告では、実態として大半のユーザーが5秒後にスキップします。これと比べると、TVer広告はブランドメッセージを最後まで届けられる確率が格段に高く、認知形成の効率が異なります。BtoB商材のように意思決定サイクルが長い場合でも、反復接触による認知蓄積がしやすい形式です。
ビジネス系コンテンツ視聴層へのリーチ
TVerではドラマ・バラエティだけでなく、経済・ビジネス・ドキュメンタリー系の番組も多数配信されています。コンテンツターゲティング機能を活用することで、ビジネス・経済系番組の視聴中に広告を配信できます。
実際に、あるBtoB向けシステムベンダーが「ビジネス」「金融・投資」カテゴリの視聴者に絞って広告を配信した結果、97%の視聴完了率を達成した事例があります。意思決定層である経営幹部や事業部長が業務の合間にスマートフォンやリビングのテレビでビジネス情報番組を視聴する習慣がある点に着目した配信設計です。
指名検索・MQLへの波及効果
認知広告の効果をBtoB担当者が経営層に説明する際に課題となるのが、「最終的にリードや受注に貢献しているか」という問いです。
BtoB SaaS企業を対象とした調査(Auris)では、マス広告(TV系含む)実施後にブランド指名検索のクリック単価(CPC)が最大1/9に低下し、リード獲得単価が最大1/5に抑制されたケースが確認されています。これは、認知広告接触後にユーザーが自らブランド名を検索するようになり、指名検索広告の競合入札圧力が下がるためです。
BtoBの認知施策全般については別記事でも解説していますが、TVer広告はその中でも「ビジネス層への精緻なリーチ」と「高視聴完了率による認知蓄積」を両立できる媒体として機能します。
TVer広告のターゲティング機能とBtoBでの活用法
TVer広告では主に3軸のターゲティングが設定できます。BtoB担当者が押さえておくべき設定の考え方を整理します。
3つのターゲティング軸(属性・コンテンツ・TVアフィニティ)
| ターゲティング軸 | 設定できる内容 |
|---|---|
| ユーザー属性 | 性別・1歳刻みの年齢・都道府県/市区町村のエリア |
| コンテンツターゲティング | ドラマ・アニメ・ビジネス・経済など36カテゴリ |
| TVアフィニティ | テレビ番組ジャンルへの興味関心をフックにしたターゲティング |
TVerのユーザー属性データ正確率は93.7%とされており、年齢・性別のセグメントを精緻に設定できます。また、OS指定(iOS・Android)やキャリア指定にも対応しています。
BtoB商材での具体的なセグメント設定例
BtoB商材でよく使われるターゲティング例を以下に示します。
- 属性: 35〜55歳・男性を中心に設定(意思決定者・事業部長層を想定)
- コンテンツ: 「ビジネス・経済」「ドキュメンタリー」カテゴリの番組中
- エリア: 東京・大阪・愛知など主要商圏の都道府県に絞る
- デバイス: コネクテッドTV(スマートテレビ)に絞ることで視聴完了率を最大化
BtoB商材は対象ターゲットが限定的なため、細かいセグメント設定で「届けたい人に届ける」設計が費用対効果の改善に直結します。
TVer広告の費用感と予算設計
CPMと最低出稿金額の目安
TVer広告の費用体系はCPM(インプレッション課金)が基本です。30秒動画の場合のCPM目安は約3,600円/1,000インプレッション、最低出稿金額の目安は50万円からです(デジタルトレンズ調査)。
課金方式は2種類あります。
| 課金方式 | 特徴 |
|---|---|
| CPM固定単価制 | 表示回数に対して固定費が発生。予算管理しやすい |
| CPCV課金(オークション) | 完全視聴された場合のみ課金。視聴完了を重視する場合に有効 |
BtoB担当者が認知効果の計測を優先する場合、CPCV課金で視聴完了数を最大化しつつ、ブランドリフト調査で認知度変化を測定するアプローチが効果的です。
BtoBが最初に試すべきテスト予算の考え方
TVer広告は少額から始められますが、統計的に有意なデータを取得するには一定のインプレッション量が必要です。BtoB企業が初めてTVer広告に取り組む際の目安として、3か月・月50〜100万円規模のテスト予算から認知計測を行うアプローチが推奨されます。
認知広告の効果検証については、指名検索数の推移・サイト流入数・直接型MQLの増減を指標として設定し、配信前後を比較する方法が基本です。詳しい効果測定の枠組みについては「認知広告のKPI設定方法」を参照してください。
bfj独自視点 — TVer広告の純粋効果を事業KPIで測る方法
複数媒体並行時に生じる「ノイズ」問題
BtoB企業が認知広告を展開する際、TVer・YouTube・TVCM・交通広告を同時に配信するケースは少なくありません。この場合、「指名検索が増えた」「MQLが増加した」という結果が出ても、どの媒体がどれだけ寄与したかを正確に把握することが難しくなります。
他広告の影響・季節変動・外部イベントなどが混入することで、TVer広告単独の純粋効果が不明確になる——これが「ノイズ問題」です。特にBtoB担当者が経営層に対して「TVer広告への投資を継続すべきか」を説明する場面では、この問題が投資判断の障壁になります。
特許技術で純粋効果を可視化した事例(匿名)
bfj Scopeは特許取得済みのノイズ除去技術(JP 7630213 B1)を用いて、複数の認知施策が並行する環境でもTVer等CTV広告の純粋効果を指名検索・MQL単位で可視化します。TVCM・YouTube・コネクテッドTV広告を横断した媒体横断分析に対応しており、「どの媒体が何ポイント指名検索を増加させたか」をセグメント別に定量化することが可能です。
実際に、ある組織エンゲージメントサービス(toB)でYouTube広告と効果測定を組み合わせた結果、指名検索数138%・MQL数104%リフトを達成しました。TVer等コネクテッドTV広告との組み合わせで認知経路を多様化させることで、さらなる事業KPI改善を目指す支援も行っています。
ブランドリフト調査と組み合わせることで、「認知率が上がったかどうか」という意識指標に加え、指名検索・MQLという行動指標まで一貫して追跡することが可能になります。
まとめ
TVer広告のBtoB活用について、本記事のポイントを整理します。
- 視聴完了率97%超のスキップ不可広告により、ブランドメッセージを確実に届けられる
- コンテンツ・属性・TVアフィニティの3軸ターゲティングでビジネス層に精緻にリーチできる
- 指名検索・MQLへの波及効果を事業KPIとして計測することで、経営層への投資根拠を作れる
認知広告の効果が見えにくいと感じているBtoB担当者は、まず「指名検索数の変化計測」から始めることを推奨します。bfj Scopeでは、TVer広告を含む認知施策の純粋効果を最短1か月で可視化し、次の予算配分判断をサポートします。
認知広告の効果測定についてお悩みの方は、bfj Scopeにご相談ください。
よくある質問
Q: TVer広告はBtoCのイメージが強いですが、BtoBでも効果は出るのでしょうか?
A: はい、出ます。TVerにはビジネス・経済系番組の視聴者層が一定数存在し、コンテンツターゲティングで絞り込むことができます。実際にBtoB向けシステムベンダーが97%の視聴完了率を達成した事例もあります。BtoB商材の場合は「意思決定者へのブランド認知蓄積」「指名検索増加」を主な効果指標として設定することが重要です。
Q: TVer広告の効果測定はどのような指標で行いますか?
A: 基本指標は視聴完了数・視聴完了率・インプレッション数・デバイス別視聴割合です。BtoB文脈では、これに加えて指名検索数の変化・サイト訪問数・直接型MQL数の推移をKPIとして設定します。ブランドリフト調査と組み合わせることで、認知度・好意度の変化も定量化できます。詳しくは「YouTube広告のBtoB活用事例」も参考にしてください。
Q: TVer広告の最低出稿予算はいくらですか?
A: 目安として最低出稿金額は50万円からとされています。CPM(1,000インプレッションあたりの課金)方式が基本で、30秒動画の場合のCPM目安は約3,600円です。BtoB企業が初めて取り組む場合は、3か月・月50〜100万円規模のテスト予算で認知計測を行うアプローチが推奨されます。
Q: TVer広告とYouTube広告を比較すると、BtoBではどちらが適していますか?
A: 目的によります。「リビングでの高視聴完了率・テレビ信頼感の活用」を重視する場合はTVer広告、「ターゲティングの細かさ・少額からの柔軟な運用」を重視する場合はYouTube広告が適しています。実際には両媒体を組み合わせてリーチの多様化を図るBtoB企業が増えています。それぞれの特徴については「YouTube広告のBtoB活用事例」を参照してください。
出典・参考
1. TVerの月間ユーザー数が過去最高更新の4460万ユニークブラウザを記録 — 取得日: 2026-05-10
2. スキップ不可の広告が9割超の完視聴率を実現する理由とは? — 取得日: 2026-05-10
3. 国内コネクテッドテレビ広告市場、2025年は1,695億円に成長(AJA・SMN調査) — 取得日: 2026-05-10
4. TVer広告とは?料金や費用・仕組み・ターゲティング — 取得日: 2026-05-10
5. BtoB/SaaS マス広告が指名検索広告に与える影響 — 取得日: 2026-05-10
6. 急成長TVer、広告の視聴完了率90%超 「認知獲得」で終わらない衝撃 — 取得日: 2026-05-10